Parisのおみやげ2006/08/27

エッフェル塔のあめちゃんやで。

きれいでしょ。

富良野で。2006/08/27

パリで出あった人にアイヌのことを訊かれた。
アイヌの文化に非常に興味がある、と。
彼らは文字を持たなかったんだ、と言ったら驚いていた。

どうして文字を持たなかったんだろう??

人間が脳味噌を駆使して築き上げた文化の痕跡で
人間の欲望の痕跡で
むせ返るようなパリでそう思った。

そしてそれから10日後、
北海道にいることになった。
札幌へは何度か来たけれど
ライヴやプロモーション仕事だけで
観光もしたことがない。
それに、富良野なんて、はじめて。

富良野へは導かれたようにきた。
ここにも大好きな、そして
頼りになる友人がいる。
彼が言っている「広い空」は
これのことだったんだ、と
まずこの富良野のでっかい空に驚いた。

友人が「持っている」森に行った。
動物も植物も、
生き物の命がむせ返るように溢れていた。
これほどの命の気配を感じたことが
今までにあっただろうか。
豊かなものたちが目の前で命を謳っている。
一歩あるくと足元から無数の虫たちが飛び立つ。

・・膨大な命の繰り返し
人間が作り出すものを超えたものたちの
目をみはるようなクリエイトの現場に
ワレワレはただただ、居るだけだ。
ここは
そういう場所なんだ。

翌日も森へ行った。
昨日と同じじゃない森。
雨はここでは過激にドラマチックで
天候は神のように絶対だった。
この自然の豊かな変化は
ここに住むものにとって
何よりも巨きな嬉びになるのだろう。

コンサートの日が来た。
この広い、本当に広い空の下
いつも歌っている歌の、
意味が違ってくるじゃないか。
間違えたことのないところで思わず歌詩を間違えた。
場所と同化しようとしたら脳味噌のどっかが
ずれちゃったみたいだった。

アイヌ、素晴しい智慧をもったひとびと。
文字にできないものの意味を
知っていたんだ。きっと。

パリでわからなかったことが
ほんのほんの少しわかった気がした。