信濃旅行記最終回2006/05/10

翌日、いつもはごはんの前にひと風呂浴びるところだけれど、
朝ご飯の時間まで爆睡。
朝食は各ご家庭のご主人方が健啖ぶりを見せていた。
旅館の朝ご飯がいつもは苦手なムスコもつられておかわり。

T家とS家は電車で帰るので、レンタカーを返す時間まで
また山で過ごそう、とまずは大谷原へ。
キャンプした場所からさらに上流、
昔よく行った河原へまた行ってみよう、と出掛けたのだが
多分昨年の豪雪のせいだろう、木々が無惨に折れていたり
山肌がぞろりとえぐれていたり。
前にあった道も土砂で流されたのか、なくなっている。
豊かだった風景が無惨に破壊されていた。
哀しい気分でクルマに戻る。

気を取り直して爺が岳スキー場近くの河原へ。
ここも湿原になっていて花々がたくさん咲いている。
踏まないように気をつけながら歩く。

我が子はここで川にハマってしまう。
川は小さくてもかなり危険で、浅く見えても
流れが速いと溺れてしまう。
旅の前に「川には絶対入るな」と言っていたのに。
ムスコは浅瀬と思って降りた砂地にずっぽりはまったらしい。
旅行でハイになっているのと、みんなといるので
怒られないと甘く考えているようだったので
きっちりずばっと叱る。
いつもは余分すぎるほど着替えを持ってくるのに
今回何故か忘れたし。
しかし立ち直りの早いムスコ。
お父さんと朽ち木を割って中の虫探しなどしておる。
やれやれ。

街へ降りてお土産など買ってからみんなと別れ、
吉良家はギフチョウに会いに再度居谷里湿原へ。
入り口にいる案内のおにいさんに伺い、ヒメギフの
食草、ウスバサイシンのあるポイントへ行った。
この食草が激減しているためにヒメギフも減っているのだ。
私はどんな葉っぱか知らなかったが、吉良君が
茶色の花を見つけ、間違いない、これだよ、と教えてくれた。
葉裏に産みつけた卵が緑の宝石のようだ、と
先のおにいさんが言っていたのでみんなで黙々と
葉っぱの裏を見て回った。
残念ながら卵は見つからなかったけれど
茶色の不思議な花とかわいいハート型の葉っぱの
ウスバサイシンが見られて大満足。
帰りに案内のおにいさんに「ウスバサイシン見つかりました」
と言うと「大収穫ですねえ!!」と一緒によろこんでくれた。

4時頃に高速に乗り、帰途へ。
途中パーキングでゆっくりごはんを食べたりしながら
帰った。覚悟していたけれどそれほどヒドい渋滞ではなかった。

遠い国、知らない場所に行くのもいいけれど、
若い時に感動した場所へまた時を経て行ってみるのも
いいものなのだなあ。
全てを初めてのこととして新鮮に受けとめている
コドモと、また新たな発見が出来る。
生き直しているような、というと大袈裟だけど
そんな感覚。
美しい景色と美味しいごはんとお酒、
そしておバカな私たちよ永遠に。

またまたキャンプ熱が再燃する予感を
めらめらと心のうちに感じつつ、黄金週間は
こうして幕を閉じたのであった。

ウスバサイシン2006/05/10

ヒメギフチョウの食草です。

ヒメギフチョウ2006/05/10

見つけたらそっとしてあげましょう。