XNOX 虚弱の王様・楠均2005/12/04

ケータイの写真を整理していたらこんな写真がでてきた。
今年の8月、吉祥寺のマンダラ2でさかなとXNOXとくじらがライヴをやって、そのリハの時に撮ったもの。
楠さん自作の段ボールや空き缶で作ったドラムセット。
吉良君に「おもしろいからおいでよ」と写メしたのだった。
この時はXNOXは確か4、5曲ほどやったような。
「へびにかまれたひとのように」というタイトルを聞いて、
楠さんの脳味噌の中がますますわからなくなりました事は言うまでもない。

ふだんの楠さんは、顔色が悪い。
「おー相変わらず顔がキミドリだねえ」というと、
「キミドリならふつーだ」と。
本当に調子が悪い時はどんな色になるのか、あまり知りたくはない。
楽屋ではひたすらいつも養生に励んでいる。
このあたりは吉良君のブログ参照。
そして、他人が体の調子が悪い話をしていると嬉々としてその話題に加わる。
体調不良を喜ばしい事として捉えているらしい、というか大好物らしい。
ワタシはメニエルの持病の事を話したら、今までに話した何事よりも喜んでくれた。ありがとう。
虚弱自慢をさせたら右に出るものはいない虚弱の王様、
しかしひとたびステージに上がれば、まるで身長197㎝体重120kgの巨漢か?と思うようなパワフルなプレイ、そしてニュアンスまでもきっちり合わせてくれる繊細なるハーモニーを超クールな声で聴かせてくれるのだった。

先日XNOXの初のソロライヴがあって、残念ながらワタシは伺えなかったのだが、聴きに行ったひらたよーこさん(青年団の役者であり「あなんじゅぱす」という音楽ユニットで活動するミュージシャンでもあります)からこのようなメールが。
ワタシだけで読むのがもったいないので載せちゃいます!!
以下、よーこさんのメールより。ーーーーーーーーーー

天才XNOX。
リズムも歌詞もメロディーもハーモニーもいったいどうなってるのか・・・
楠さんの頭の中の妄想がかなりダイレクトに
客席にだだもれ状態となり、
小さな小さな永遠の時空間が生まれて、
ぽつんと宇宙にうかびました。

「一週間の歌〜ヒルディリドの歌」では、
ニールヤングのギターサンプルと、
キオトさんのギターサンプルの間をかけめぐりながら、
何度も転調し、
一週間の歌と、
夜がきらいなヒルディリドの歌が錯綜し、
命綱のない綱渡りがアクロバティックに繰り広げられて・・・
孤独だけど楽しい、
一人だけど寂しくない、
美しく、愛おしい、詩的な時間でした・・・・
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よーこさんの表現もまた素晴らしく、聴きに行けなかった事が悔やまれるのでありますが!!
20日のライヴでもXNOXの曲が聴けることに!!

来年は虚弱の時代の予感。

天使の匂い2005/12/06

zabadakに「天使の匂い」という歌がある。
〜子供は誰だって天使の匂いがする
 その匂いを嗅いだらみんな戦争なんかしなくなるよ
っていうような歌。

「お母さんになると書く事が違いますね」みたいに言われたけど、これは息子を生む1年前くらいに書いてた歌詩だ。
友達の、生まれて3ヶ月ほどの赤ちゃんを抱っこした時のこと。
そのオツムの素敵な匂いにうっとりしてしまった。
胸に、心に、脳味噌に、ふわああっと広がる何ともやさしく満ち足りた気持ち・・・
おっぱいしか飲んでいないこどもからはこんなにいいにおいがするんだ!!
なんて平和なココロになるんだろう、と衝撃を受けた。
ほんと、大袈裟でなく。
これは人間の攻撃的な気持ちを萎えさせる効果がある、と思った。

生まれたての赤ちゃんを世話するお母さんは
昼も夜もない世話でクタクタに疲れ果てている。
自分のためのことなんて、すべてあとまわし。
赤ちゃんはしょっちゅう泣いて、こっちも泣きたくなる。
どうすればいいんだろう・・・。
しかしお母さんがミルクをあげるときに抱っこすれば、
ちょうど鼻先に赤ちゃんのあたま。
その香りを嗅ぐことになる。
その匂いは安らぎを与えてくれる。
まだ閉じていない赤ちゃんの頭蓋はぺこぺこ動く。
大事にしなくちゃ。ぶつけないように。
あたまの後ろはあったかくて髪は絹のように柔らかだ。
ほっとした一体感に包まれる。
赤ちゃんは、可愛がってね、リラックスしてね、と
お母さんにもの言わずとも訴える。
オツムの匂いで。
うまくできている。
生き物のしくみ。

「香水」という小説があって(パトリック・ジュースキント作/文芸春秋)ちょっと前にこれを読んだ時に、やはり子供の後頭部はいい匂いがする、という記述に出会った。
主人公は何故か自分の匂いは持たず、しかし天才的というか
人間離れした嗅覚の持ち主。
この男がとんでもない事件を起こす。
香りを文章で表現するのは難しいけれど、
この本は悪臭も芳香も見事に描いている。
調香の場面などドキドキしてしまう。
フェロモン、ってものを描ききっている。面白いよ。
私が主人公なら赤ちゃんのオツムの匂いの香水、作るのに。

あ、写真は本文と関係ありません。
買ったばかりのシャリマー。
ゲランの香水が好き。

原マスミさんと私。2005/12/09

原マスミさんと久しぶりに会った。
もう10年くらい原さんのバンドでコーラスしてるのだが、
ここ2回ほどのライヴは男子だけのバンドで、私は欠場。
11月のライヴの時、お客さんに
「どうして小峰さんいないんですか?」
と訊かれ、原さんは
「ちょっと気まずくなっちゃって」
と、いろんな誤解をされるようなことを言ったそうである。
爆笑。もー。
そんなまずいカンケイはありません。
その時の方がこれ、読んでますように。

息子は原さんのファン。テレビから原さんの声が流れてくると「ハラサン!!」と、いち早く反応する。
この日も連れて行ったのだが、「海のふた」を微動だにせずに聴いていた。

天才。そして毒もたっぷり持ってる天使。
また同じステージに立たせてくださいまし。

Blythe2005/12/12

数年前、青山の洋書屋で見つけた写真集。
目がデッカくてからだが異常にちっちゃい、
しかしなんとも不思議に魅力的なお人形。
「Blythe」というものだった。
アメリカで発売された当時は人気がなかったらしい。
その写真集は一人のカメラマンがBlytheにいろいろなお洋服を着せ、いろいろなシチュエーションで撮影したもの。
早速買ってしまったが、その後しばらくしてPARCOのCMなどにこの人形が出て日本でブームになり、タカラから復刻発売になった。
すぐに店頭でチェックしたけど、なんだかやっぱりオリジナルとは違う気が。
でも、このちっちゃいシリーズはかなり好きで集めている。
か、かわいい・・・。

で、リビングに飾っているのだが、
斎藤ネコ氏がウチに来た時にこれを見て
「へ〜これ誰が集めてるの?」
って。ウチは吉良君と息子と私しかいないんだから、
私に決まってんでしょう!!!
どうも、私とお人形蒐集は結びつかないらしい。

そしてその後、ネコ氏の奥さんが来て
「わー!これ誰が集めてるの?」
・・・全く同じ事をおっしゃった。
そんなに、私と似合わない??

ネコ氏と言えば年末恒例のネコカル忘年会ライヴ
@南青山マンダラ。
私もまたまた今年も出る予定。
詳しくわかったらまたここでお知らせします〜。

小野賢章〜彼の声を聴け!!2005/12/14

「小野賢章」という名前を近頃頻繁に目にする。
何故かと言えば、彼は新作が封切りになったばかりの映画「ハリー・ポッター」シリーズでハリーの声の吹き替えをやっているからなのだった。
私が賢章に会ったのは今年の春頃、今、彼は高校二年生なので、先々週あたりテレビで放映された「ハリポタ」旧作で声変わり前の声を聞いてびっくり。
なんてかわいい声(だったの)!!
そして、すっごいうまーい(昔から)!!
新作では声変わり後の彼の声が聞けますよ!!
って私、まだ見ていないけれど・・。

この夏の劇団ひまわりのミュージカル「秘密の花園」で私は作詩を担当した。その作品にディコン役で出演した賢章は、メインの曲ともいえる「命のありか」という曲のソロをとったのだが(これは以前にこのブログに書いた岸祐二さんのバージョンもあり!!)、その曲をレコーディングするにあたり私は彼の歌のせんせーをしてた。
このあたりは「秘密の花園」のブログ
http://blog.musical-hanazono.com/
をハゲシク参照。
なので、公演でソロをとる場面ではいつもはらはらしながら見ていた。
うまく行ったときは恥ずかしそうに、でもホコラシげに笑ってた。
そしてあまり思うように歌えなかった時、「どうしたの?今日!」と言う私に、決して一度も言い訳なんかしなかった。
幼い頃から「ライオンキング」などのミュージカルにビシバシでていた彼は結果を出してこそプロ、ということを、よく知っているのだろう。
本当に素晴らしく素直なココロの、気持ちいい少年なのだった。
楽屋では同い年の松本君と共にみんなを笑わせまくるおバカなヤツ。
そういえば、この2人、初日に楽屋の紙コップなどのお使いを頼まれ脚本の小笠原さんの自転車借りてコンビニへ。
その後ろ姿を見送りつつ、私もコンビニへ着くと、
なんと!!2人はお使いのお買い物は後回し、
マンガを立ち読みしておった。
その背中には初日のキンチョー感は皆無・・・。
な、なんてヤツら・・・。
ちょっとあきれたけど笑った。
そのくらいのほうが、いいのかもね。

と、私は半ばお母さん気分で彼を見ていたのだが、
のちにホントーに賢章のお母様と同い年、と知った・・・。

写真はゲネで「命のありか」を歌う賢章。
CDはここから!!
http://musical-hanazono.com/goods.php

小野賢章の声聴けます!2005/12/18

「秘密の花園」ブログから、CDの試聴ができるようになりました。

http://musical-hanazono.com/goods.php

ハリーポッターでしか賢章を知らなかった方、
それから劇団ひまわりの公演を見逃していた皆様、
ぜひ聴いてみてください。
みんな、とっても魅力的な声でしょう??

写真は稽古場での賢章。
真面目そうな顔してます。

ZABAKARAQUJILAOKINOX終了!!2005/12/21

Dress東京にお出でいただいた皆様、
ありがとうございました。

久しぶりにぎゅうっと凝縮された空間でのライヴ、
しかもスタンディング、お客さんもあんなに近くて
なんだか懐かしい感じでした。
芸歴が長いというのに、全くいつまでたっても
大人げのないひとたちでしたね。

久しぶりに来てくれた友人が
「これだけ歌う人がいるとすごいね。へんにきれいなのは
 苦手だけど、みんなクセがあるのにハモってるのがおもしろい」
と言ってくれました。そうだよね。クセがあるんだけど、
ぶつかりながらぐるぐる溶ける。
別のミンゾクのフォルクローレのような味わい。
つきつめたいです。

遠くからいらしてくれた方達も、ありがとうね。
無事帰れましたか?

次なる出演はネコカル忘年会ライヴです!!
http://www2s.biglobe.ne.jp/~neko22/oshilase.html
今年はどうなるのでしょう?
先日斎藤ネコさんと話したとき
「去年てどうだったっけ?」
「うーん。誰々さんがきて」
「え?それ一昨年じゃない?」
「え、そうだっけ」
「ま、いいや。忘年会なんだから。
 忘れるためのなんだから」
「そーかそーか」
といった調子でございました。
今から予め忘却されているようなライヴです。
いらっしゃる方はそんなつもりで楽しんでください。

聖しこの夜2005/12/24

白河というところの、お寺の近くの家に住んでいた頃の
ことだから、私がまだ幼稚園に入る前のこと。
テレビのニュースが「クリスマス停戦にはいりました」
と伝えていた。
ベトナム戦争のニュースはいつも流れていたから
今世界の何処かで戦争が起きている事は
知っていたんだと思う。
母に「どういうこと?」と訊くと
「クリスマスだから兵隊さんもお休みするんだって」
と答えてくれた。
「じゃあ、戦争ってやめられるんだ」
と言ったのを憶えている。
ばかみたい。止められるのなんてそんなの、
戦争じゃないじゃん。とちびっこい私は思った。
クリスマスがくると、いつもこのことを思い出す。

最近はアメリカでも宗教色が強い、とのことで
「メリー・クリスマス!」ではなく
「ハッピー・ホリデーズ!」って言うんだってね。
なんだか、なあ。

毎日がクリスマスだといいのに、
と思うのはコドモだけじゃない。

みなさん、よいクリスマスを!!