虹のふもとに2006/05/25

虹を始めてみたときのことを憶えている。

S市の昭和町、というところに住んでいたのは
幼稚園に入る前だったから、3歳か4歳の時だったと思う。
その頃、野菜や果物を積んで売りにくる移動販売のクルマが
家々を回っていた。
お店の名前もわからず、ただ「八百屋のおじちゃん」
と呼んでいたのだが、その八百屋のおじちゃんが
私の家の前に来た。
おじちゃんはコドモに優しくて私は大好きだったから、
その日も、もちろんおじちゃんに会いに庭に飛び出した。
するとおじちゃんのクルマの屋根のむこうに見慣れないものが。
近くのお寺の空の上にきれいな光の帯が浮かんでいる。
「あれが虹だよ。ななつ色があるんだよ」
と母に言われて一生懸命色を数えたが
しばらくすると消えてしまった。
これをモトに歌詩も書いたけれど。

そのあと引っ越したT町には、八百屋のおじちゃんは
そういえば回ってこなかった。
いつも帽子をかぶってたおじちゃん。
バナナをこっそりくれたこともあった。

国によって虹の色の数が違うらしい。
赤橙黄緑青藍紫。セキトウオウリョクセイランシ。
理科でプリズムの色をそう憶えたけど、それも違うのかな。

『小峰公子をよみ おどる+罠の狼」http://a-n.fem.jp
の稽古場へ行った。
夕刻になって雷、大雨、そしてさっと陽が射すと
ビルの上に見事な虹が出た。
おんなのこたちは大騒ぎ。

虹の溶けた風を呼吸、した。

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