GCMふくしまレポートとUstのお知らせ2012/08/07



「ガイガーカウンターミーティング(GCM)ふくしま」が福島と郡山で
7月15,16日に開催され、私も縁あって参加させていただきました。

原発事故以降、個人でガイガーカウンターを持つようになる方が増えたけれど、測定の仕方が自己流だったりして正しい値を得られない事が多いのに業を煮やした(?)科学者の方々が、正しい測定法を学ぶ機会は作れないものかとtwitter上で呟いたことがきっかけで、
「ガイガーカウンター・ミーティング」が開かれたのが昨年6月でした。
これはその時に参加された鈴木みそさんが描かれたもの


被災地での開催は初めてです。

この会全体は5時間半にもおよび、
1部は東大の教授でホールボディーカウンターでの内部被曝の測定を精力的にされている早野龍五先生の講演、2部は高エネルギー加速器研究機構(KEK) 素粒子原子核研究所教授の野尻美保子先生講演、3部は農水省の原田英男さんと早野先生、野尻先生と生産者の皆さんとのディスカッション、4部は大阪大学の菊池誠先生、三重大教授の奥村晴彦先生、SF作家の野尻抱介さん、
漫画家鈴木みそさんとしりあがり寿さん、この会の世話役でもあるメディアアーティストの八谷和彦さんと私と、地元の方々の交流会、そして高エネルギー加速器研究機構(KEK)の一宮亮さんらによる ガイガーカウンターの測定ワークショップという盛りだくさんの内容。

GCM flyer


15日、昼過ぎに福島駅前のホテルのロビーで待ち合わせ。
おおっと!twitterでは黒猫のアイコンの野尻美保子先生が鈴木みそさんが書かれたのと生き写し(?)のお姿で登場!
そして八谷さんが自ら運転してくださって、菊池誠先生と4人で会場へ。
八谷さんは「PostPet」の開発者にして現在ナウシカのメーヴェのような一人乗り飛行機を製作しているという、夢を実現できるチカラのあるお方。この方の情熱なくしてGCMはなかったでしょう。
菊池先生は私の以前のブログでも書きましたが物理学者にしてテルミン奏者で翻訳家でもあります。

車中では野尻先生と八谷さん、菊池先生は
「だいぶ下がったねー」
と福島の線量の話。
私はあまり福島市の郊外には来たことがなかったのでキョロキョロ。


会場は、駅からちょっと離れたところにある「福島県青少年会館」。

会場に着きますといきなり鈴木みそさんにお会いしました。茶髪に白いフレームのメガネがおしゃれです。
そしてたくさんのボランティアのみなさん。
そうです、これはまったくのボランティアで運営されていますが今回は八谷さんがネットで寄付をよびかけました。会場費やその他運営にはどうしてもお金がかかるからです。その募金は驚いたことに4時間で目標額達成、余剰金は早野先生の研究費にあてるとのことでその後も寄付は増え続けました。
福島のためにこんなにもたくさんの方が心を砕いてくださっていることが本当にうれしいです…

八谷さんが会場をざざっと案内してくださってまずは早野先生らの講演会場となるホールへ。
菊池先生と入場するとワレワレにざざっとカメラが向けられてビビリました。
みなさんカメラを手にされていて、ラフなムードです。
なんと早野先生が短パンという軽装であらせられる。
私はこの時はまだビビっていてカメラを出せませんでした…


八谷さんによる全体の説明の後、ワレワレの交流会が開かれる会場のマイクチェックなど。
三重大学の奥村先生は長身でスリム(そしてお茶目なことがのちに判明しましたが)とても気さくでびっくり。一緒に会場作りで机を運んだりしました。

その後地元の美味しいものを用意してくださっているお隣の建物でトマトやブルーベリーやおいしいパンをいただきました。
そして寄付いただいた方へお礼に送るみそ先生の本にみんなでサインしたりしてあっという間に本番間近。
あ、マネージャーR嬢がしりあがり寿さんの大ファンなので、サインをいただいちゃった。
おっと始まる前に記念写真。
左から鈴木みそさん、しりあがり寿さん、私、菊池誠先生、八谷和彦さん



第1部と第2部は、私達の第4部をやる部屋に送られたモニターで見ました。
早野先生の話、もっとみんなに聴いて欲しい。先生の人柄がわかるような、誠実な話しぶり。
野尻先生のお話も思わずメモとっちゃいました。
というわけでこの内容は9日にUst配信します。
お知らせは後ほど。

残念ですが第3部は私達と時間がかぶってて見られませんでしたがこれも10日にUstで見るのだ!お知らせは後ほど。

そして4部。
こちらがわの参加者の自己紹介のあと、八谷さんが和ませるために菊池先生のリンスネタなどを振り(和んだかは不明)、地元の方からの質問に答えます。
私もミュージシャンとして今感じている状況について話したり。
参加者からは、なかなか報道には乗らない生の声が聞けました。
「東京でデモに参加しているひとは私からは幸せそうに見える」
「私は御用被災者って呼ばれてるんですけど」
という言葉にどきっ、中には確かに報道されないであろう驚くようなことも…

福島だけではなく県外からの参加者もいらっしゃいました。
それぞれの地域でのそれぞれの問題。
一絡げにできないぞ、というのをヒシヒシと感じます。
活発な発言が尽きませんでしたが時間となり、私の「やま」という詩の朗読でこの会を終えました。

「やま」を書いたのは昨年郡山に帰った時です。
私の父は山育ちで、よく「雑木林に吹く風の音が好きだ」と言っていました。
福島の状況に絶望したまま父は昨年10月に亡くなりました。
福島にまた住めるよ、そう言ってあげたかったけれど
あの頃はまだ被害が拡大するのでは、という不安のなかで言えない状況でした。
「大丈夫、また住めるよ」って言ってあげればよかった、というのがずっと心残りです。

父のいない家のいろんな手続きのために郡山に帰ったものの
実家は震災でとても住めるような状況ではなかったので、駅前のホテルに泊まりました。
朝、窓から朝日に雪をオレンジに染めた山が見えました。
それは家から駅に向かうとき、父が駅に送ってくれる車中からも必ず目にしていた山でした。
地震も原発事故もなんにもなかったみたいに美しく、そこにありました。
そのまま一気に書いた詩が「やま」です。

この詩を、福島の皆さんの前で朗読する機会を作ってくれた菊池先生、八谷さんに大感謝です。


終了後は福島名物「円盤餃子」をいただきつつなぜか多数の方がネコミミ装着などしてなごやかに一日目終了。
写真は左から野尻抱介さん、奥村先生、私

ミミ、でかい。



16日

この日はまず、菊池先生と郡山に向かいました。
駅には私の古い友人、河治くんが迎えに来てくれています。
昨年、彼からシンチレーションカウンターをお借りして私の実家の敷地と建物内の放射線量を測定したのですが、今回も同じカウンターで測ろうというわけです。

この日は暑くて、家に着いたら汗だく。
河治くんは飲み物まで買ってきてくれてさんきゅー。
早速家の中と庭、計27箇所を30秒間隔で4~5回ずつ測定していくんですけど、あっついし、結構これ、大変、で休みなしにぶっ通しで二時間ちょっとかかりました。



河治くんが腹ペコの我々を焼肉屋に連れてってくれて和牛を堪能、そのまま会場である「ミューカルがくと館」に送ってくれました。

和牛を食べる菊池先生の図




「ミューカルがくと館」 に着いたら早速先ほど測定した数値の平均を出して、昨日から展示していたワタクシ作成の住宅の放射線量のポスターに新たな数字を書き込んで行きます。
そう、ここではいろいろな方による放射線関係のポスター展示もあるのです。



菊池先生はご自分でシンチレーションカウンターを持ってきていて、河治くんから借りたのと同時に測ってたんですけど、どこを測っても先生のカウンターのほうが数値が低い。二割くらい違う感じ。
それで、放射線計測ワークショップに参加してみることに。

ここではいろいろな状況での値を実際に知ったり、正しい測定法を学ぶことができ、そしてカウンターの「校正」ができるのです。
カウンターによって高めに出たり低めにでたりするので、ここで自分のカウンターが実際よりどれだけのもんなのか?を知ることが出来るというわけです。




しりあがり寿さんと菊池先生と私、参加。




結果、私が借りた河治くんのは実際よりちょい高め、菊池先生のは18%くらい低めに出ると判明。
しかし物理系の学者さんたちはあっという間にデータをグラフにしていくので驚きっす。

そして会場に戻ると尻PことSF作家の野尻抱介さんが
「私が発見したホットスポットがあるんですよー」
と誘うのでした。
野尻さんは、原発事故前からガイガーカウンターを持っていて、とにかく線量の高いところが測りたくてしょうがなかったそうで、それで事故後福島に通ううちに福島が大好きになってしまった、という方です。
がくと館の草むらをワシワシと歩いて行くと足元に雑草を結んだところが。20世紀少年みたい。
「ここです」と野尻さんがいうのでカウンターを近づけるとこれ。



地表近くは4μSv/h近くありました。
なんででしょうねえ。
ってか、なんでこういうところ見つけたんだろう、野尻さん。
この写真は測定してるところ。牧歌的だけど足元高線量っす・・

                         撮影:野尻抱介

この日の第四部で印象的だったのは
「事故以来たくさんの架空の福島県人がデマによってたくさん殺された」
といった発言。
ネットのなかのデマの虚しさは実際暮らしてる身にはことさらだろうと思うのです。
「誰かがこう言ってる」ってことで無責任に軽々と広まっていくデマに、私もいつも胸が塞がる・・。
放射線関係のことは、福島では新聞でもテレビでも、東京よりはるかに多い情報が出ています。
福島県人は情報を隠蔽された中で暮らしてるという、いつのかわからない情報を信じ込んでいる人もいるみたいだけど、それは大間違い。
郡山では町内会に1個はガイガーカウンターがあるのですよ。
計測ワークショップには
「お父さんにウチの(ガイガーカウンター)が合ってっかどうかたしかめでこいっていわれて」
と、おばさまが二台のカウンターの校正のために参加してた。
意識高いです。



忙しい中ボランティアで参加している講師陣のみなさんの福島に対する思いもヒシヒシと伝わってきました。
ふぐすまのおんなとして、心から感謝します。
ボランティアのスタッフさんもお疲れ様でした。
大変実りのある会だったと思います。
なにより、終わってからみーんなうれしそうな顔をしてましたから。

この様子をUstで配信することが決まりました。
当日参加した講師陣もできるだけ参加するというイベントです。
ぜひ御覧ください、お近くの方は3331にお出かけください。
私は連日参加します。

場所:3331アーツ千代田
日時:2012年 8月9日、10日 開場17:30 開演18:00  (21:00終了)
  *9日は投げ銭制、10日は席料おまけつき1,000円予定
    ただし、READYFOR?でご支援いただいたかたは無料です。
     詳しくはこちらをクリック


長らく読んでくださったかたにここで問題です。
私が衝撃を受けた奥村先生のお茶目なお姿とはどんなだったでしょうか

答えは









ネコミミでしたー!

神戸にいきますよー!2012/08/20


今週は吉良知彦Daysで渋谷が熱いことになってますが、
そのあとには神戸に行きますよー

久保田洋司くん、モメカルがゲストです。
ぜひいらしてください。
ゼッタイたのしいよーん。

『2012年の夏も神戸でZABADAK!!』
[チキンジョージの夏祭り2012] 1日目

2012年8月24日(金) 神戸・三宮 チキンジョージ
18:00開場/19:00開演

出演:ZABADAK(吉良知彦、小峰公子)
ゲスト:久保田洋司、モーメント・ストリングカルテット(有馬真帆子Vln/ 山本紗由Vln/ 小弥裕介Vla/ 郷田祐美子Vc)

料金:前売5,000円/当日5,500円(フード&ドリンク代別)

チケット発売日:6月8日(金)
・チケットぴあ http://t.pia.jp/ (173-105)
・ローソンチケット http://l-tike.com/ (L-59080)
・チキンジョージHPオンライン http://www.chicken-george.co.jp/


【お問い合せ】
チキンジョージ
兵庫県神戸市中央区下山手通 2-17-2-B1F
TEL:078-332-0146
http://www.chicken-george.co.jp/