夢日記2005/10/27

10月24日

今日は原宿の事務所行こう、と思い、午前中に雑務を済ます。
まずはネット配信関係の調べものなど。某出版社のおにいちゃんと電話で話し込む。立場を越えて話せればきっと面白い人だろうなあ、という感じだった。
どうもミュージシャンは権利関係の知識から遠ざけられているような気がする。

さて、お昼ご飯を食べて化粧をしようとしたら顔がほてっていて赤い。エリクシールのサプリニックゼリーでぱたぱたしてもだめだ。これってお熱?と思い体温計で計ると37.3℃、だった。
ん〜。しばし出かけようか迷うが、熱、計らなかったことにによう、と決定。知ってしまったら、これ以上悪くしないための努力は出来る。パブロン飲んで家を出る。昨日から背中が痛かったのもこのせいだったのかもしれない。マツキヨでビタミン剤も飲み、まず明治神宮前へ向かう。家でおとなしくしていた方がよかったのかもしれないが、何となく家にいてベッドに入ったら抜け出せなくなりそうな気がしたのは、このところ見た夢のせいだ。

昨日の夢。
父の田舎の道を小走りに叔母がやってくる。蛇革のプリントのトレンチコートを着ていて、肩より長い髪も派手にパーマをかけていた。うわ、派手、と思い、その後実家に上がったり、と夢は続いて行ったが、目が覚めてから叔母さん、なんであんな格好してたんだろう?とまず思い、そして、あ、叔母さん、もう数年前に亡くなってるんだ、叔父さんも去年死んじゃったんだ、と現実とすりあわせられるまで2秒はかかった。
実際の叔母さんは、これ以上実直、真面目、貞淑、な人は居ないんじゃないか、と言うような地味で目立たない人で、田舎からほとんど出ることなく亡くなったのだった。
いつもきちっとはしているが流行など関係ないような服を着ていた。それが、真逆の装いで登場したので、夢が見せるとんでもないビジュアルに驚いた。私のどこかで、叔母さんの人生が窮屈そうに見えていた?そんなふうに思ったことなかったんだけど。
でも何故今頃こんな夢、見たんだろう。起きてからも不思議でたまらなかった。もしかして、今日、命日だったかしら。あとで確かめてみないと。

そして、今日の夢。
その前のシチュエーションは忘れてしまったのだが、夢の中で私は実家の居間にいるらしい。40歳くらいの頃の母がこちらを向いて、「もうだっこなんてできないから(これが最後)」と正座したまま私に向かって両手を広げる。まわりには私の旦那、コドモもいたかもしれない。「ええー」と茶化されるのだが、私は母のそばに行って座り、ためらいながら腕に抱かれた。ぎゅっと抱きしめてくる母に、恥ずかしさから迷惑な素振りをして体をひいていたが、一瞬だけその肩に顎を預けた。瞬時にいいようのない一体感というか、満ち足りた思いが体に広がってゆく。すぐに体を離し、そのとたんに目が覚めた。

2歳で妹が生まれ、3人兄妹の真ん中に育ち、早くから自立心を身につけさせられた私は親に甘えた憶えがない。ぎゅっと抱かれた記憶もない。
しかし十分に愛されてきたし、いまだにとても緊密な親子カンケイであるから、それをことさら寂しいとも思っていなかったのだが。
目が覚めてからも抱きしめられた感覚はしばらく続いた。
確かに母に抱きしめられたのだ、と思った。

脳みそは時々優しいことをするものだ、と電車の中で反芻する。
原宿に着いた頃には風邪薬が効いてきて朦朧としてしまう。カフェで気を失ったように休憩。
事務所には「ストレンジ・デイズ」が届いていた。ケイト・ブッシュ特集。帰りの電車では高校時代のあの爆発的に苛立ってる感覚が戻ってきた。

西山水木2005/10/31

9月のある日。「写楽考」を見に北千住1010シアターへ。
西山水木の素晴らしい役者魂を見せつけられた。
いい仕事をしているわが友を観るのは本当に嬉しく、誇らしい!!
そしてその着物姿の美しさよ。
すぐに「写真撮らせて!」とお願いして、後日楽屋にお邪魔した。

自然光がいっぱいに入る楽屋には、千秋楽独特の切ない雰囲気が漂っていた。
水木さんは手際よく化粧をし、羽二重をつける。頃合いを見計らって着物が美しく着付けられ、床山さんもひとつとして無駄な動きのない手際で仕事をしていく。

「お加代」ができあがった。
水木さんからはとたんに情欲が垂れ流しになっていくよう、凄みのある美しさは別の生き物のようだ。

「いってきます」と言って、役者はあっけなく舞台袖の暗い闇に消えて行ってしまった。

西山水木 「お加代」2005/10/31

写楽考「お加代」
先日水木さんからのお誘いで下北へ。
久しぶりにふたり、カウンターでしみじみと話した。
届かない言葉と探せない言葉と疵と想像力の距離について。
ワイン一本半では登れない山だったけど、水木さんと
迷いつつ歩き回る旅は苦しくはない。

ラ・カンパニー・アン http://a-n.fem.jp/