言い換えるということはちいさな旅すること2014/03/14

今日はパリのKTRと久しぶりにSkypeで話しました。このブログでは何度か彼のことを書いていますのでご存じの方もいらっしゃると思いますが、マルチな才能を持つ彼は、zabadakでは映像作家として関わってくれています。
(最新作は郡上八幡の照明寺での完全アコースティック・ライヴを収録した「私の罪は三千年」です)

彼は何カ国かの言語が堪能です。日本に一度も住んだことがないのに、日本語もとても上手。中学で学ぶくらいの漢字も読めます。でもちょっと難しい熟語はわからないので、いつもなるべくわかりやすい言葉を選んで話します。
時々Skypeで日本のニュースや記事を見ながら話したりしますが、あるとき、説明が難しい言葉について
「これどういうこと?」と訊かれ「ちょっと待って」と調べようとすると(ググる気配がわかるらしい)
「調べないで、こうこさんの言葉で話してよ、コドモに教えるとしたらなんていう?」
と言うのです。これにはちょっとドキっとしました。彼はいろんな言語特有の言い回しを、他の言語に変換するのに慣れているのでしょう。
難しい言葉を別の(簡単な)言葉に言い換える、というのは、自分の脳味噌の外に出て行ってしまうまえの言葉をぐるぐると探す作業でもあります。
そしてそれは、作詩の作業と非常に似ています。
自分の中の言葉をあれこれ変換しながらの彼との会話はまさに脳内のちいさな旅、内容も面白いけど、いつも刺激的です。

「いちから聞きたい放射線のほんとう いま知っておきたい22の話」では、その制作途中で、
「ね、半減期について説明してみて、コドモに説明するみたいに」と、KTRの真似をして、身近な人にあれこれ訊いてみたのがとても参考になっています。説明するのって、意外と大変なんですよね。
なんとなくわかったつもりの知識をあっちゃこっちゃくっつけてしまっているんだな、ということに気がついたりもします。

放射線の知識についての本なのに、会話…?と戸惑った方もいらっしゃるかもしれないですが、会話だと私の理解の速度と、読んでいただく方の理解の速度が同じになれるんじゃないかな?と思います。私と一緒に最後まで読み進めていただけたらうれしいです。

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