郡山〜いわき〜富岡 その1 ― 2013/05/21
5月17日、郡山に行ってきました。
この日は福島市で内部被爆や食品に関する講演会があり、
最初はそれに出ようと思っていました。
しかしご一緒するはずの友人が参加できないことになって、
急遽変更。
それはTwitterで参加を募っていたた少々マニアックな
「放射線計測勉強会」というもの。
対象が
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・放射線計測の一通りの基礎知識はあって,もう少し詳しく専門領域の手前ぐらいまで知りたい人.
・話題提供者(注:この日の講師です)のツイートを読んでいるけど,良くわからないので詳しく聞いてみたいことがある人.
はじめて放射線測定を行う方に向けた講習会は現地で何度も開かれていますので,それより少しレベルの高いものを考えています.しかし,専門知識を前提としたものではありませんので,計測に興味があればどなたでも参加いただけます
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っていうので最初は非常に尻込みしたわけです。
ちんぷんかんぷんだったらどうしよう、
なんたって前日はライヴで3時まで飲んでたし!!
しかし、13時過ぎから始まった4人の講師によるお話は
予定の終了時間17時を軽く越えましたが、
すべてが興味深く眠くなることなく聞けました(たった一コマの
物理の時間をどうやってやり過ごそうかと思っていたわたしには快挙です)。
計測と測定の違い、なんて考えたことなかったな。
測定器ごとの違いは、低いエネルギーのガンマ線に反応しやすいかどうかということがあるらしいとか(HORIBA Radiのクセに納得)、
放射線の人体へのリスクの考え方のもとになってるもののお話とか、
モニタリングポストとリアルタイム線量計は
表示してるのものが違うのでそこんとこよろしく、
などなどなど、非常に興味深い内容。
放射線関係のことって「専門家でもないのに言うな」
とかいろいろいう人がいますけど、
もともと専門家でも各々が
超ピンポイントな分野のご自分の研究だけをしてたわけで、
今みたいにいろんな見地からの意見を
一般の人から訊かれるなんて思ってなかったと思う。
シンチレーションカウンターのクセから数値の考え方から
単位のことから原子炉の設計から食品に含まれる放射線から
がんリスクの考え方まで網羅してるなんて多分いなかった。
でも、だからこそTwitterとかネットで
これだけの錚々たる方々が繋がって情報を交換しながら
私たちにいろいろと教えてくれる、っていうこと、
すごいと思うのです。心から尊敬する。
半日でこんなてんこもりのお話が聞けて、
ほんとうに参加してよかった。
そして、その後の懇親会で、
翌日オプショナルツアーを考えている、
と主催のSさんが3つほど案を出してくださいました。
翌日は「ふれあい科学館」に行くことしか決めていなかったし
機会があったらいわきや相馬や富岡に行きたいと思っていたので、
すぐにいわき~富岡ツアーの参加表明。
その後、素敵なBarで安女の同級生と会って飲みました。
意外にも演劇の話に。
福島を取材して作られた演劇を地元の方々と見たらしいんですけど、
ちょっとかんべんして、って内容だった、と。
「がんばろう、言うな」との意見噴出、
「こんなの福島でやらないでくれ」って。
作家さんは何度も福島に来ていて取材したらしいんですけどね…
福島の人の心と遠い所で、福島をファンタジーにしちゃいかんよな。
福島で上演できないような「震災モノ」は作らないで欲しいよね、
という話で夜は更けゆくのでした。
コメント
_ Nami ― 2013年05月23日 17時41分30秒
_ koko ― 2013年05月24日 09時08分23秒
これまでに見た震災や福島を扱っている作品でいいな、と思えたものは東北人が作ったものでした。どうしてもこの悲劇を「ネタ」としか思ってないんじゃないかというようなものやデリカシーに欠けるセリフがあったりで、大抵暗い気持ちになってしまいます。いわき〜富岡に行ってみて、この場所に立ったらがんばろうなんて、すっと口にできないだろうな、と思いました。
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「こんなの福島でやらないでくれ」って。
作家さんは何度も福島に来ていて取材したらしいんですけどね…
福島の人の心と遠い所で、福島をファンタジーにしちゃいかんよな。
福島で上演できないような「震災モノ」は作らないで欲しいよね、
という話で夜は更けゆくのでした。
ここ読んで、じーんとしてしまいました。。。。そんなファンタジーになんてしちゃう方もいるんですね。。。
がんばろう。良い言葉だけれど
使い道次第では凶器ですね。