「Stolen From Strangers」〜三宅純2008/11/03

レコーディングも終わったし、
さしあたって曲を憶えなければ
ならないようなライヴもないので、
iPodは「宿題」のためではなく
(詩が出来なかったり、曲を憶えたりしなくちゃならないときは
常に「to do」リストの曲を聴いてるのだ)
単純に音楽を楽しむためのものになった!

Ipodにはエノケンもジェーン・バーキンも
懐かしのTeas for fearsもPhil Manzanera も
どんどん入れちゃう。
けれど、ここしばらく、自分の純粋な楽しみのために
iPodに入れてよく聴いた音楽No.1は、
間違いなく三宅純さんの
「Stolen From Strangers」だ。
発売になったのは、去年の秋だから、
1年以上の愛聴盤となっている。

三宅さんのことはパリに行った折の日記にも
以前書かせていただいたが
http://koko.asablo.jp/blog/2007/02/19/1195974
パリでお会いした時に
このアルバムの曲を少し聴かせていただいて、
リリースされるのを心待ちにしていた。
なので、昨年HMVのJAZZのフロアで
にぎにぎしくディスプレイされているのを見た時には
ひとりコーフンした。

超モダンだけどどこかレトロ、
ざらざらした手触りかとおもうと
冷たくてつるつる
雑踏の猥雑さ
粋人のdecadance‥
両極端のものでさえも
上質な曲から立ち上るエッセンスの前では
【三宅純】という、
もはやひとつのジャンルのなかで
美しく響き合っている。

Jean-Paul Goudeによるジャケットも
セ・クール!!
リズム、かっちょいー。
二曲目の心音みたいなリズムもザワザワする。
多彩なヴォーカリストも
絶妙な抑えとハジケで
三宅さんの広い庭で心地よく過ごしてるのがわかる。

メトロに乗ると、iPod聴きたくなるんだけど、
まだしばらくは「Stolen From Strangers」が
ヘヴィー・ローテーションNo.1の座に
居続けそうな気配である。

でも早く・・新しいアルバム、出してくれないかな〜。

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_ SINGSTYRO*musicblog - 2009年04月30日 17時43分08秒

試聴 試聴

ゾクゾクした。。。僕の中ではsusumu yokota以来の衝撃。三宅純。こんな日本人がいたとは!ジャズもボッサもエレクトロニクスも現代音楽も飲み込む、素晴らしすぎるセンス。世界に誇れる音楽家ではないでしょうか。リーダー作としては7年ぶりという本作『Stolen from Strangers』は、制作に5年をかけ自ら立ち上げたレーベル“drApe”からリリース。

幕開けはアート・リンゼイがボーカルを執るボサノヴァ調のナンバー。しかしこの密度の濃さはどういうことだろう。音の鳴り方は至極さり気ないものなのだが、ひとつひとつの音がじりじりと絡み付くように妖しく、ひりひりと焼け付くような温度を孕んでいる。曲調はボサノヴァなのに全くリラックスできない!そわそわする。この得体の知れない妖しさこそが本作の魅力の神髄にあると思う。この人は狂気を知っている。またそれを俯瞰する冷静な眼を持っている。すなわち優れた芸術家でありデザイナーであり演出家であり演者である。このアルバムが織りなす異様な緊張感は、狂気と紙一重の研ぎ澄まされた感性が成し得るものだ。だからこそひとつひとつの音が芸術的で、儚くも美しい。

前述したアート・リンゼイの他にもアルチュール・アッシュ、サンセヴェリーノ、ヴィニシウス・カントゥアリア、ピーター・シェラー、ブルガリアン・ヴォイスなど様々なゲストを迎えて、映画音楽のようなナンバーから昭和歌謡風のものまで、バラエティに富んだ曲が集まっている。一分の隙も無いハイブリッドな完成度は圧倒的なまでの緊張感を生み、そのどれもが妖しく魅力的であり、アルバムを聴き終えた時に残るのは濃密な余韻。

流麗なメロディに心を癒されたり、躍動するリズムに身を任せたり、歌詞に自分を投影させたりと、音楽の聴き方・楽しみ方には様々なアプローチがあると思うが、本作に於ける快感は“芸術に触れる喜び”だと思う。