にんぎょひめ@シアタートラム2007/12/20

世田谷シアタートラムでこどもの劇場2007
「にんぎょひめ」を一家3人で見た。

脚本・演出のテレーサ・ルドヴィコは、イタリア人で、
日本での上演は「美女と野獣」「雪の女王」に続き三作目。
前作も吉良君とコドモと見に行った。

今作も圧倒的に美しく詩的な舞台で
妥協のない美意識にノックアウトされた。
人魚姫がニンゲンの足を獲得すると、
その足は血まみれなのである。
日本人って、こういう描き方しないよね。
変容に伴う痛みを視覚的に皮膚感覚に訴えたり
(前作「雪の女王」のゲルダは見ていて気の毒な程寒そうだった)
こういった演出も巧み。
音楽の使い方も素晴しい。

最終日の昨日は当日券に並んだ!
生まれて初めてです。当日券に並んで見たいと思ったの。
何しろ、初見ではあまりの美しさに涙涙、で
もう最後の方よくわからなかったんだもん。
もっと冷静に見たい、と思った訳っす。

「人魚姫」といえば、
昔、私が3、4歳のとき、NHKの人形劇
(人形の体に棒がついてるやつ)で人魚姫をやっていて
母が「可哀想な話だからお母さんは見ない」と言ったのを
子供心に、悲しいのがいいんじゃない、情緒のないひとだなあ、
と思ったのを憶えている。
可哀想だからといってこのお話を避けるなんて、
物語を楽しむ心がない、と。
また、その頃の人形劇って、
しょっちゅう再放送してたんだな。
以来母の事を考えるときに
「人魚姫は見ない人だから」と思ってしまっていた時期があった。
まったく失礼なムスメであった。
そんなことは全然なかったんだけど。
母の作る俳句を見ると、よくわかる。
で、今回自分が大泣きしてしまったとき、
母と一緒に見たいな、と思った。

来年再演があるので、ぜひ母も誘おうと思う。