郡上八幡二日目 ライヴ篇2007/09/30

クルマ二台に分乗するため、機材も積み替え、
リヴェンデルのお二人(ハープ:木村林太郎、
アコーディオン:藤野由佳)
と、マネージャー田中ファミリー、
そしてワレワレファミリーで
お寺まで移動。
東京から来たその日に演奏するより、
やっぱりカラダは楽だ〜。

お寺に着いて、機材搬入。
コドモは早速そこいらを走り回る。
現在照明寺の若住職の奥様、Y子ちゃんが
出ていらした。
まだ彼女が若い娘さんだった頃から知っているが
今年で4人のお子さんの母となり、
すっかりお母さんの輝きを身につけている。
そしてご住職、奥様ともご挨拶。
ご住職は今年から京都の東本願寺のお務めとなられ、
この日はお彼岸とこのコンサートのため
夕べ帰っていらしたとか。
ご住職がいらっしゃらなかったら寂しいね
とみんなで話していたので、とても嬉しい!

檀家さんが手伝ってくださって、本堂にステージを設置。
何回目かのコンサートの時に出来ていたのだが、
檜製の、ホンモノの檜舞台だ。

その上で、リハーサル。
ここで何度かPAを入れたこともあったが
大抵はナマオト。
今回も生でやることになっていたので
立ち位置でヴォリュームを調整するしかない。
私が歌う時はなるべく立って、
そして音量のあるアコーディオンの
由佳ちゃんはちょい後ろ目で、
など、まあそのくらいのことだけれど、
チェックしてゆく。
ちょっと聴きにくいところもあるかもしれないけれど、
生音ならではの空気感を楽しんでいただきたいのであった。
この夏ずっとツアーを回って来たので、
林太郎君、由佳ちゃんとの演奏に何も不安はない。
ざざっと諸々の確認をしてリハ終了。
ぽつぽつお客さんもいらしている。

このライヴは最初、檀家さんだけがいらっしゃる
内輪のものだったし、友人関係から発生したものだったので
公にしてはいなかった。
しかし回を重ねるうちに
聞きつけた(?)ファンの方が
いらっしゃるようになり、
そのうちお寺で対応していただくのも
大変なようになってきて、どうせなら
たくさんのかたにお寺に来ていただく機会にもなるから、
というご住職のあたたかいご提案もあり、
オープンなものにした。
今では中部、関西はもとより、
四国や九州、沖縄からまで毎年たくさんのかたが
いらっしゃるようになった。
郡上の町の魅力、そしてお寺でのライヴという魅力も
大きいと思う。

ライヴの前にはご住職からのお話がある。
今回は聞けなかったが、控え室となる書院まで
本堂からみなさんの笑い声が
どっと上がるのが聞こえて来た。
普通、ご住職のお話、っていうと、堅苦しいイメージだが
まるで寄席並みの会場の沸き方である。
これもご住職のお人柄だなあ。

本番前にお寺の鐘が鳴る。1ベル代わりだ。
しかしステージに上がっても鐘が何度か・・。
どうもお子様たちが遊んでるらしい・・。

というような和やかな雰囲気の中で
コンサートが始まる。
満員で、お堂の外にもお客様。
秋の虫の声が音に重なる。
時々蛾もやってくる。

アンコールはご住職のリクエストで
本編で演奏した「雲の言葉」をもう一度歌った。

去年のライヴの後、ご住職から2011年が
親鸞上人の750回御遠忌である、ということを伺った。
私は無宗教で、毎年ここで演奏していながら
その宗祖たる方の教えをよく知らなかった。
が、そのときにご住職から伺った、その御遠忌のコピーが、
スルドク素晴しいものだった。

「今、いのちがあなたを生きている」

いろいろな意味に取れるけれど、
永く続く生命の連鎖のそのほんの一コマを
ニンゲンという生で生きている、
その壮大で素晴しい輝き、
生命への畏怖と奇跡とが込められているコピーだ、
と思った。

ご住職から、何かこのテーマでZABADAKなりに
歌を作ってみて、とリクエストをいただき
私が思っているテーマとぴったりだったあまりに
「雲の言葉」が出来た。
これはラヴソングでもあるけれど、
私なりの:コトバを持ったニンゲンとしての
「今、いのちがあなたを生きている」
でもある。


マイクやら何やらがないというのは自由だ。
最後に演奏した「POLKA」では
ステージをおりて座布団の客席まで出たら、
なんと藤野由佳ちゃんもスタンディングで演奏、
吉良君はもちろんスタンディングだけど
ハープの林太郎君は立てないね。
ハープはちょっと無理だねー。

実はアンコールはもう一曲用意していたのだが
あまりの肉体疲労で吉良君の手がもう動かない。
PAなしなので、いつもよりパワフルに
弾いたあまり歌ったあまり、
もうHPが2、くらいになってしまったようだ。
私も喉が相当嗄れてる。
あたたかい拍手の中、ステージを降りる。

ライヴのあとに檀家総代のM藤さんのおはなし。
こちらもどっと笑い声が上がっている。
いいね、この雰囲気。

終わったとたんにもの凄い雨が降って来た。
楽器を片付けに本堂に戻ると、雨宿りがてら
まだ多くの方が会場に残っている
お客様にサインしたりお話ししたり。
みなさん、雨は大丈夫だったかな?

そしてそのあとは打ち上げ。
お寺だから精進料理でしょう?
と言われたりしたけど「NO!」
お手伝いくださっている方の手料理や
おなじみ朴葉寿司、そして郡上の美味しい鶏屋さんの
古地鶏の丸焼き、とか並んじゃってるよ。
そして銘酒の数々。
お酒を差し入れしたくださった方も、
ごちそうさまでした。

その後地元スナック「都」へとなだれ込み
郡上のライヴは今年も無事終了。

毎度お世話になっている照明寺と檀家の皆さん、
そしてお出で下さったみなさん、
ありがとうございました。
来年も会えますように。

*写真は吉田川沿いで
かき氷を食べたあとの吉良知彦