Paris日記2007~#72007/03/03

2月7日
2時間しか眠れなかった。
ベッドで寝ようと努力していたが
観念して5時半に起き出す。
お風呂に入る。
洗濯をする。

今日は野田さんの解説による、学習投影の日。
日本人学校の生徒(小学4、5年生向け)のための
日本語プログラムが発見の宮殿プラネタリウムで
朝の9時から行われる。
私はこちらも見学したかったので一人で出かける。

8時にホテルを出ると、なんと雨。
どうも野田さんは雨男らしいのだ。
傘を取りに部屋に戻り、また外へ出ると、雪!!
わーい。なんだか嬉しいぞ。
思わずコドモを起こそうか、と思った。
傘にあたる雪の音。
かさかさかさ。しゃらしゃらしゃら。

メトロに乗ったらめちゃ混み。
なんだかずずずと音がする、と思ったら、向かい側の
中東系っぽいオトコが私のバッグのファスナーに
手をかけている!
慌ててバッグを引っ張った。
そいつは現場を押さえられたのに知らんぷりしているけど
ドキドキが伝わってくるほど動揺していた。
あー危ない。
混んでて身動き出来ないと、危険危険。

と、そんなことがあって、プラネへ到着。

入ると薫ちゃんがすっきりとモデルさんのように
立っていた。
「おつかれー、おはよー」
考えてみたら、薫ちゃんと「仕事」したのは
初めてだった。
今回は本当に、単なる通訳というだけではなく
彼女でなければ出来ない事がたくさんあって
そして実現した企画だった。
ありがとう。

ホールには日本人学校の生徒が続々と集まって来た。
みんな、元気に「おはよーございます」と挨拶してくれ、
どうみてもウチのコドモの学校より
遥かに礼儀正しくビシッとしている。
なんてスバラシイ。
投影も真面目に見ていたし、そのあとの
勉強会も活発に質問しておった。
コドモに見せたかったなあ。

カフェでその後薫ちゃん、野田さん、発見の宮殿側と
ミーティングがあり、最初ちょっとだけ同席したけれど
お昼近くに失礼した。
すみません、野田さん、この時のカフェオレと
サンドイッチのお代、払わないままだった!!

今日は私はショッピング、吉良君とコドモは
博物館に行く、と言っていたので
まず、ケータイのカードを買いに行く。
メトロでカルネを買おうとしたら
クレジットカードが読み取れない。
二度失敗。後ろに並んでたアメリカ人とおぼしき
ツーリストに「お先に」と順番を譲る。
その男性はすんなりカードで買えた。
おかしいなあ。
その人も、もう一度私が別のカードでトライするのを
見守ってくれたのだがまた失敗。
彼が「何枚要るの?」と訊いて来た。
「二枚」と言うと、「僕のをあげるよ」と、
二枚差し出してくれた。
3ユーロ出すと、2ユーロでいいよ、とにっこり。
ご親切にありがとう。
万引きされそうになったけど、こういういい事もあるな。
でもだいぶ時間をロスしてしまった。

ケータイは、昨夏の日記に登場したミッシェルのもの。
彼女はもう日本に戻って来たので
こちらで使っていたものを借りてきたのだ。
カードを買っても、フランス語のガイドに従って
操作していかなくてはいけないので
どうチャージしていいかわからん。
のでKTRに応援要請した。
じゃ、30分後、と待ち合わせしたのだが、
毎度の事ながら、彼は待ち合わせに約30分遅刻。
(モノプリで待ち合わせたおかげでその間、
買い物できたけど。)
目の前の交差点で事故があって、そのケアをしていた、
という。
自転車にバイクがぶつかって、バイクはちょっと見ただけで
逃げちゃったんだそうだ。
外に出ると、そのパンクした自転車が停められていた。
自転車の人に付き添ってたらしい。
こういう「ほっとけない性格」は私も同じなので
よくわかる。
で、チャージしてもらってカフェで撮影の事等
打ち合わせてから別れる。

帰るとちょっとコドモも疲れたようで
博物館に行く発想がなかったらしく、ホテルで過ごしていた。
そのかわり、ドリルとかおべんきょーもしていたご様子。
でもテレビも見まくっていたらしい。
もう何チャンネルで何をやってるのか、完全把握。
しかもフランス語のCMソングまで歌っておる。

部屋でゴハン食べよう、ということになって
買い出しに行って、エスカルゴやパスタや
ハムやサラダやチーズやら、そして美味しいワインで
晩ご飯。
明日はライヴ。

Paris日記2007~#82007/03/03

2月8日
16時にホテルに清野君とKTRが来る事になっているので
それまでは暇。
身支度に1時間みるとしても、15時まで暇。
まずぶらぶらと、パレ・ロワイヤルへ。
初めて来る父子はおおーと感嘆の声をあげておる。
コドモが嬉しそうな姿を見るのはとても嬉しい。

そこからギャラリー・ヴィヴィエンヌへ。
とてもカワイイオモチャ屋さんがあり、
コドモ、あれこれと調達。
で、そこからギャラファ・グルメに行って
何かお土産でも買ってきましょう、と店内に誘い込んだのだが、
吉良君もコドモも全く気乗りせず、
「のどかわいたー」「おなかすいたー」と言うのである。
じゃあゴハン食べましょう。
しかしギャラファ内は混んでおるねえ。
ホテルの方まで戻りサンドイッチ・バーに。

吉良君、それからしっかりとウィスキー買って
ホテルに戻る。

さあさ、準備。こころの準備。

ホテルに薫ちゃんがひょっこりと来る。
近くに仕事で来たそうだ。
それで、今日私が話す予定のフランス語の
MCのチェックをしてもらう。
これが。もう圧倒的にダメらしい。
くううーーー。必死こいて練習。
そのうち薫ちゃん帰る。
そして清野君来る。
彼にもフランス語のチェックをしてもらう。
「ここはこうじゃないの?」と別なチェックが入る。
そしてようやくKTR登場。
彼にもチェックしてもらうが、
これまたオニのようにキビシイ。
くううううくううう。
まあ、この必死さだけをわかっていただこうじゃないか。

タクシーでKiosque Flottant目指す。
パリの東南部、図書館がある近く。
夕暮れで街の灯りが映り込むセーヌが美しい。
ボンソワール!とお店の中に入り、ご挨拶。
そして早速セッティングだ。
清野君がPAのオペレーターの方も手配してくれていた。
なかなかサクサクと進むのだが、このためのリハ、
ってものをしていなかったので必死で曲の確認。
そこはそれ、長年のケーケンでなんとか。
そして今回はハモニカ青年清野君に
二曲参加してもらう事になっていて、
彼とも初のセッション。
26歳の若さながらなかなかに自信満々でよろしい。
で。ここ、本当に船、なので揺れる。
大きな船が通ると余波で揺れる。
吉良君が足につけた鈴をがんがん鳴らしても揺れる。
不思議な感覚だ〜。

さて、本番。私、いきなり最初ミスりました。
で、「もう一回!」と叫んでやり直し。
ライブをこんだけやってると、失敗を超えた時の雰囲気、
っていうのがわかるもんだ。
今回超えたの早かったよ〜。
皆さん、本当に集中して聴いてくれました。
そして、アウェー気分を吹き飛ばす、
みなさんのにこやかな顔。
初めてフランスでコンサートした時に、
言葉が通じない分、言葉以前の感情を伝えよう、
と思って歌った。
日本にいたら思わないようなことだった。
それが私のなかで宝物になっているのだが、
今度はそれに加えてフランス語でも歌いたいな、
と思った。道は遠そうだけれど‥‥。

ハーモニカの清野君もしっかり場を盛り上げてくれた。
新しいアルバムから「線香花火」を
日本に先駆けて(?)演奏。
へとへとで本編終了。
アンコールの「光降る朝」はマイクを使わずに
思いっきり歌った。
ダブル・アンコールは「小さい宇宙」。
いやーたっぷり歌ったね。
本当に疲れた。タマシイ抜けた。

薫さんも野田さんもきてくれた。
ジュリアン君は彼女も連れて。
ワインで乾杯したらぐらりと船が揺れた。
気がした。

お店でゴハンを出してくれた。お店の人もみんないい人。
ZABADAKのCDをあげたら早速Macで読み込んでいた。
そして読み込みの音飛びバシバシの
そのままの音を店で流す、なんとも大雑把なひとたちよ。
また来るよ。

外に出るとオリオンと双子座が。
ここで野田さんの本当の「生解説」が聞けたのだった。
ありがたや。

さて。ぐだぐだに疲れていたにも拘らず,
その後ホテルの部屋で打ち上げ。
アルコール入ると元気になっちゃうんだな。
吉良君、清野君と朝までコース‥‥。